2020年5月13日水曜日

「見えないところも調べる」〜自画像課題のお話〜

5/11遂にオンライン授業開始!!


◎内部生徒の皆さんは、5/11からの授業課題の提出も無事終わり、2課題目に入りましたね。

質疑応答はオンライン(zoom)でも行っています。
zoomを開けてる時間帯は、classroomに詳細が書かれているので確認してください。

これからは、オンラインでの授業や講評、課題提出が続きますので、
慣れるまでは色々なことが起きるかもしれません。
ですが新規入学生はもちろん、生徒全員に講師が担当で付いていますので、焦らず一緒に慣れていきましょう!


↓その他、開校についての詳細は湘南美術予備校HPにてご確認下さい。

http://www.artshonan.jp/index.html#home

5/13からは自画像課題が始まります。
今回は課題に絡ませた記事なので、ぜひ参考にしてくださいね!

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「見えないところも調べる」〜自画像課題のお話〜


皆さん自画像というとどんなイメージがありますか?
世界中に巨匠が描いてきた数多くの自画像作品があります。
それらはただ見たままを正確に写し取ったものでしょうか?



『自画像的作品』をテーマに、セルフポートレートの手法で作品を作り続ける作家がいます。
現代アーティストの森村泰昌さんです。





名画の登場人物に自分自身がなりきり、撮影しています。
ただのコスプレではありません。
絵の構成や背景の小物、人物像や時代背景の細部にいたるまで綿密にリサーチしています。
このリサーチの過程も含めて森村さんの作品の一部なのです。




カラヴァッジォの劇的な明暗まで再現



細部までリサーチすることで、作品がどんな経緯で描かれたのかを森村さん自身が追体験していきます。
画家が何を思って描いたのか、その内面にまで実感を持って迫ります。




↑まるで平面絵画のよう!




↑時には質感を再現するために、絵の具で服に直接描きこみます。


またリサーチする過程で新たな発見や、森村さん自身のアイデアが生まれてきます。
時にはそういったものを作品に取り入れることで、鑑賞者の作品に対するイメージに揺さぶりをかけたり、
問題提起をしていきます。
必ずしもそのまま再現することが答えではないのです。




↑マネの「オリンピア」




↑森村さんの「モデルヌ・オランピア 2018」


こちらの作品は大胆にアレンジしています!
そもそも男性が娼婦の役を演じることに違和感がありますよね。
登場人物の人種も変えつつ主従関係は残されていたり、
普遍的なモチーフを一部日本固有のものとすり替えていたりと、見る側は混乱します。
「元の絵はどうだったっけ?」と思わせるのも、作者の計算のうちなのでしょう。


作品を調べて模倣することは、一見するとシンプルな行為です。

しかし突き詰めれば本物にも迫る迫力や、新しい発見が生まれます。



森村さんの作品と制作過程を知ることで、「見えない部分」のクオリティーについても考えられると良いですね。

オンライン自画像課題は3日間制作です!
自宅にいる分いつもより「調べる」時間をたっぷり取れます。
これを活かして皆さんも、今までにないくらい深いところまで掘り下げて制作してみましょう!



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Twitter 細密リアル決定戦で提出された作品が見れます!
色んな情報もツイートしてるので、是非見てくださいね!
Instagram 講師達が細密リアル決定戦に出した絵を投稿中!!
他にも色々投稿してるので参考にしてくださいね!
Instagram→https://www.instagram.com/shonan_nihonga/?hl=ja
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湘南美術予備校 日本画講師 

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