全体講評時の写真(一部加工しています) |
先日の公開コンクールでは受験生にアンケートを配布し、記入していただきました。
ご協力大変ありがとうございました!全て読んでいます。
今回はアンケートの回答をもとに、いくつかピックアップしてお話ししていきたいと思います。
①石膏コンクールについて
「正解の形があるものなので、他の人と見比べると着彩よりも簡単に違いがわかりとてもためになった。」
石膏デッサン、という試験は目の前に「正解」が存在しています。つまり(再構築はしますが)目の前にある石膏像の印象に近ければ近いほど良いデッサンになるわけです。志望者が多く倍率が高いので、その近似値争いがし烈になりますが、本来「難しい」試験ではない、と考えています。また、講評で作品を並べた時にどの作品が似ているか、見やすいか、見比べると思います。多くの作品の中から自分の作品がどう見えるか客観的に見ることも必要です。コンクールや講習会などを利用して、自分の作品と他の人の作品を比較する経験を積んでいって欲しいと思います。
②コンクールの講評について
「先生によって意見が違うところがいろいろな視点から聞けておもしろい」
そうですね。合格する、という方向性は同じ、至るまでの「考え方」が違う、ので講師それぞれの意見が違っていて良いと思っています。そして学生が「自分が最も共感する講師の考え方なのは誰だろう?」と選ぶことで、本人に合った方法論をもとに活路を見いだせるのではないか、とも考えています。美大芸大の入学試験でも多くの先生が審査に参加されるはずですし、コンクールは多くの作品の中から「選ばれる作品」を描くという試験の予行演習です。さまざまな意見を聞き、そこから自分の考えをまとめる、つまり「考えて描く」ことを実践していってほしいと思います。
③石膏コンクールについて
「緊張感があり試験本番ってこんな感じかな、と思えてよかった」
アンケートでは緊張感を感じた、と答えてくれた現役生が多かったですね。
初めての大学受験となると緊張しないほうが珍しいかもしれません。本番までに公開コンクールを何回か受けたり、第一志望の前に試験が行われる大学を受験してみたり、と場数を踏むことも考えてみてはどうでしょうか。今年こそは、と意気込む浪人生も、年一度のチャンスを前に却って現役生よりも緊張するかもしれません。本番で緊張を減らすためには自分が落ち着けるルーティンを決める(鉛筆を削る、描き出す前にトイレに行く、など)、遅刻することなく予備校に来て準備をし、本番を想定して9:00からしっかり描き始める、など日頃からの習慣も大事にしてください。
④石膏コンクールについて
「コンクールでは先生からのアドバイスがないしどうしたらいいのかわからず苦戦した」
4月に始めたばかりで、今回が初の自力制作になった現役生も多かったと思います。
受験に間に合うかな・・・と心配しているかもしれませんが、大丈夫です!一枚ごとに自分の制作を振り返り、次回はこうしよう、と意欲的に取り組めばかならず実力はついていきます。
普段の授業後には、講師から言われたことを振り返る時間も作ってみましょう。そのうち自力制作の時に今まで言われたアドバイスを思い出すようになるはずです。
⑤コンクールの講評について
「上位の作品であってもいいところ、悪いところを同じくらい挙げている」
前回のブログにも書きましたが、上位作品もまだまだ伸びしろはあります。
試験は一発勝負なので一枚ごとの判断になりがちですが、今回は成功しても、次回はミスがあるかもしれません。たとえば調子が悪く自分のベストが発揮できなかったとしても、ボーダーに食い込めるようなところまでは持っていく・・・それが本当の実力と言えるでしょう。ショナビ日本画科では”本当の実力”が身につくまで丁寧に指導します!
今回は上手くいかないから、と途中であきらめることなく、最後まで粘り強く描く習慣を身につけてくださいね。
他にもたくさんアンケート質問の項目ありましたが、抜粋しました。
皆さんの考え方の参考、自問自答への対話相手、としてもらえると幸いです。
また、秋の公開コンに色々お話できたら、と思ってます。
次回はGW課題での家庭課題作品をアップします。お楽しみに!