2019年11月13日水曜日

全国公開コンクールの様子②

こんにちは、ショナビ日本画科です。

今回は前回に引き続き公開コンクールについてです。
コンクールの出題意図、総評、上位作品について講師からのコメントを掲載します。

◎出題意図
今回のコンクールでは、大枠の構成をある程度限定した中でどのように自身の力を出力し画面構成ができるか、また、描写せざるを得ない物を多く出題することで、各々の“物をリアルに描く”というシンプルな力を見たいと思い、花をメインとしたオーソドックスなモチーフを出題しました。
さらに、課題文に『3枚の折り紙のうち1枚で立体を作り残りの2枚は加工しないこと。白い折り紙には任意の柄を描くこと。』という条件を入れ、出題に対して正確に答えることができるか、また、色と模様を自分で自由に設定できる白い折り紙をどのように利用するか、というところをチェック項目としていれました。

◎総評
中根先生
「読解力と根性」。この2点を試される今回の出題内容は、技術以上に描き手の内面を絵に投影させるものだったと思います。上位の絵には、出題意図を読み取りながらも情報量の多いモチーフと向き合う忍耐力と責任感が、描画の技術と合わさってバランスよく絵に示すことができたのだと感じます。

柴辻先生
課題文の内容を見て、各々が出題内容を読み取りどう絵に落とし込むかという腕の見せ所の部分で、そもそも指定されたことをしていない絵があったり、本当にそれでいいの?という打ち返しだったりと、とてももったいないと感じる絵が多くありました。普段から能動的に思考を働かせ、言葉の意味を深い所で理解しようとしているだけでも、課題文は勿論のこと与えられたモチーフに対しても、何を試されているがわかるようになると思います。



◎上位作品












各所に神経の入った清潔感のある作品に仕上がってます。モチーフそれぞれのリアリティーもあり、また、卓に置かれているモチーフの印象もしっかり出ています。モチーフ同士の細かい重ね方や、色のぶつけなども、随所に渡り作者のこだわりが見受けられるのも好感が持てますね。既述の通り、細かな構成は魅力がありますが、ここからさらに良さを引き出すには、大きな画面構成にも注目できるといいですね。(速水先生より)

















モチーフへの実直さと丁寧な仕事に優れた絵だと思います。責任感ある観察描写に加えて、前景に配置した青い柄(任意で選択)の折り紙とカボチャの補色対比は、モチーフの役割と効果を的確に操作し表現にも繋げています。出題文以上にモチーフ全体を読み取る構成力、強かな描写力が詰まった1枚になったと思います。(中根先生より)














この絵は自然で見やすい。普通のことかもしれませんが、これはとても大事なことです。受験を頑張っていると、上手いけど技術ばかりが見えてきて、なんかいやだなぁと感じる時があります。
目の前の物を素直に見れているか、感じとれているかを受け手としては見たいわけでテクニックを見たいわけではないのです。
今回の作品のように今後もこの調子でどんなモチーフが出ても、甘くなってる場所はないかの確認もしつつ、安定してこれくらいの完成度で仕上げられると良いと思います。(柴辻先生より)

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 先週から今週にかけて、ショナビ日本画科では公開コンのリベンジ課題復習と、生徒個別面談が行われました。
復習することによって課題が明確になり、面談を通して講師と生徒の目標を共有できたかと思います。
早いものでまもなく冬期講習ですね。コンクールの結果をもとにさらなる実力アップを目指してください!

12/9から冬期講習が開始します。詳しくはHPをご覧ください!  http://shonabi.jp/winterseminar.html