河原 佳幸
(かわはらよしゆき)
一般大学卒業後サラリーマンとして働いていましたが、ふと自分の人生はこれでいいのかと思いはじめ、ついには退職して美術予備校に入学。4回の受験を経て2010年30歳の年に東京芸大日本画科に合格。2016年に大学院(保存修復日本画)を修了し、現在は仏像修復師、作家、予備校講師として活動しています。
作品は人物や植物を中心に制作しています。
〈華帽子>2018
〈金の棘>2019
予備校に入って最初に描いた石膏像
絵は趣味で描いていたものの、バルールや立体感などの絵画の基礎がまったくなかったため石膏像を前に当時の自分(26歳)は途方にくれるばかりでした・・・今思えばここから3年半基礎を学んで本当に良かったと思います。
最初に描いた着彩
はじめてにしては手が入っているように見えますが、植物の立体感が乏しいですね・・・あと構図!構図!水彩絵具の濃度に慣れるのにも時間がかかりました。
受験前の自主練着彩
当時は費用のこともあり講習会には参加せず、家で一人着彩を描く日々(28歳)
入学後は一回りぐらい歳の違う同級生のみんなにお世話になりながら日本画を学びました。
卒業制作↓
〈夏の汀〉
大学院では日本画の保存修復を学び、修理作業の基礎を身につけ画材や技法などの知識を深めました。古典技法を自分の制作に取り入れるきっかけにもなりました。
修了制作展にて
現在は仏像の修理工房にて主に東日本の仏像の修理に携わっています。写真は大型の坐像を解体運搬中のものです。大学院で学んだ修理技術や日本画の彩色技術を活かしています。
と、ここまで芸大を卒業したらどうなるのかの一例を紹介してみました。
最後に一言。
受験生のみなさんは可能性に溢れています。なりたい自分になるために回り道をするもよし、とにかく様々な経験をして人生を豊かなものにしてくださいね。こんな時代だからこそ、芸術のチカラと自分のチカラを信じて頑張ってください!ではまた予備校でお会いしましょう!
ショナビ日本画科講師 河原佳幸
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